絹が擦れ合うような滑らかな切り心地
絹(SILK)が擦れ合う時に出るシャリシャリとした軽く上品な音のように、
滑らかにしかも良く切れるはさみでありたいという思いから
はさみブランドはSILKY(シルキー)と名づけられました。
丸章工業の中でも歴史が最も深いブランドで、
1974年頃に誕生し丸章工業=SILKYブランドの根幹を造り大きく成長しています。
SILKYブランドのはさみは、先端機械を駆使して一般の鋏にないSILKY鋏だけの特徴を生み出しています。
まずは、NBSシリーズを始め各商品に加工されている冷間鍛造です。
巨大な400t油圧プレスで強く圧縮された刃材は、同じ材質・同じ硬度を持っている刃材と比較しても、
はるかに衝撃に強く耐摩耗性も優れています。
特にはさみ先端部の強度は一般の鍛造無しの鋏とは比較にならないほどの強さを持つことになります。
さらにSILKYはさみの最大の特徴である裏面のR状のくぼみ、つまり『ヒ』が付いている点です。
このヒがつくことにより切られる物が内側へ巻き込もうとする力が発生し、切り逃げを抑制する効果があります。
ヒが付いていないと切られる物が前へ押し出されてしまいしっかりと食らい付くような切れ味になりません。
さらに、ヒにより二番刃ができ切れ味を長く持続させる効果もあります。
最後にSILKYはさみの切れ味の生命線である小刃加工です。小刃加工には、精密NC研削機を使用し
十分な水をかけ1/1000mm単位の精度で刃付けがなされています。
手引きや汎用機に比べ小刃の角度が一定で焼けることなく、しかりとした鋭利な刃が付けられています。
この3つが相乗効果となってSILKY鋏の違いを出しているのです。
刀鍛冶の文化を継承
関市に刀鍛冶が誕生したのは鎌倉時代。刀祖・元重がこの地に移り住み、刀鍛冶を始めたといわれています。
良質の焼刀土と炉に使う松炭、良質な水、そして長良川と津保川の水運・・・。
刀鍛冶にとって理想的な風土条件を備えたこの地に、いつしか多くの刀匠が集まりました。
室町時代には刀匠も300人を超え、
「折れず曲がらずよく切れる」という関の刀はその名を全国に広めていったのです。
以降、質実剛健な関の刀は高い評価を受け、戦国時代、戦場の武士たちにことのほか愛用されました。
そして関市は日本一の名刀の産地として繁栄、この卓越した伝統の技法は、
現代の刀匠に受け継がれるとともに、近代刃物産業の中にも確かに息づいています。
刀鍛冶に始まった関市の刃物産業。伝統と近代技術から創り出された製品は、
現在、包丁・ハサミ・カミソリ・爪切りからナイフなど多品目にわたります。
そして、今では世界の国々へ輸出される刃物産地となっています。